暑くなってきたので、最近は朝のうちに散歩をしています。
昨日は珍しく2時頃散歩に出ました。
渋谷の近くの、高級住宅街で、自販機の前に、しわくちゃの千円札を、一枚持って老婆が一人たたずみ、私のほうを、すがるようなまなざしで見つめていました。
辺りには誰も居ません。「おばあさんどうしたんですか?」「自販機の使い方が解らないんです」「皺のある千円札だと難しいですよ」といいながらもなんとか皺を伸ばしながら、挿入しました。「好きなものを押してください」
買った後もじっと私を見つめています。「ああ、おばあちゃん、お釣りを取らないと」と取ってあげました。「ありがとうございます。お忙しいのにすみません」と何度も何度も頭を下げていました。
少し歩いてから、何となく気になり戻ってみると、まだおばあちゃんがそこに立っていました。
そしてまた私のほうを見つめているのです「どうしたんですか?」
「もう一本買いたいんです。」「じゃあ120円入れてください」と小銭入れから、お金を出してやり、いれてあげました。
もう一本買い「お忙しいのにありがとうございます。阪神大震災で焼け出されてから、頭が真っ白になり、それからちっとも良くならないんです」「大変なめにあったんですね身体を大切にしてくださいね。あとは大丈夫ですか?」
やはり少し呆けてたんですね。しかし年をとってから、あんな大きなショックを受けたら、頭がおかしくなっても不思議はないですね。